今回は「Wi-Fi HaLowによる長距離通信の魅力と活用例」を探りに、ビックサイトで開催された日本最大級の無線通信の専門展示会に行ってきました。
地方自治体のプロジェクトで防災用カメラや観光地に設置するカメラなどをWi-Fiを使って行うということで、光ファイバーを直接引込めない場所へのネットワークをWi-Fi HaLowによる長距離通信を使うと、どのような画質でライブ配信や録画ができるのかを活用例と共に調査してきました。
また、最近ではWi-Fi HaLowによる長距離通信で鳥害獣対策や、建築現場でのモニタリング、工場でのセンシングなどの活用例、実証実験例も積まれてきましたのでその辺も踏まえて今回の記事を書いていきたいと思います。
【本日の目次】
■Wi-Fi HaLowによる長距離通信の魅力
Wi-Fi HaLowって聞いたことはあってなんとなく遠くまで電波が届くっていうのは知っているけど実際どのくらい飛ぶの?カメラで撮影した動画をWi-Fi HaLow送信したり、配信するための設定とかってどういった感じなの?省電力なの?という疑問にお答えしていきます。
■Wi-Fi HaLowの通信って実際どのくらい飛ぶの?
約1km先まで通信が飛びます。(障害物や環境により変わります。)
■一般的なWi-Fi(5GHhz帯や、2.4Ghz帯)とどう違うの?
従来のWi-Fi(5GHz帯や、2.4GHz帯)と比べて障害物に強いです。特にガラス、木材、金属メッシュ、コンクリート等の障害物に威力を発揮します。
今までは、お客様によく、「いいWi-Fi機器を買えば電波良くなるの?」というご質問を頂いたのですが、使う周波数帯が5GHz帯や、2.4GHz帯だといくら高額なWi-Fi機器を購入しても障害物の透過性は変わらなかったんですね。
しかし、Wi-Fi HaLowであれば920MHz帯という別の周波数帯を使用するので、距離はもちろんですが、近くて障害物に阻まれていた場所まで電波が良く届きます。
■Wi-Fi HaLowで動画を送信する場合ってカメラ設定ってどのくらいが推奨なの?
ビットレート 256kbps
画面サイズ1920×1080
フレームレート 10fps
などではIoTを使った映像監視等では十分な画質を確保できますがもちろん帯域を絞って使う必要がある場合はもう少し画質は下がります。
■電波が遠くまで届くのはわかったけど消費電力は?
Wi-Fi HaLowは、信頼性の高い接続性と低消費電力を特長としています。
つまり、太陽光パネルや蓄電池を併用することで、電気設備が無いところでもWi-FiHaLow対応機器を長時間、長期間動かすことが可能です。
※参照動画元チャンネル:HCNET(エイチ・シー・ネットワークス)【公式】
■Wi-Fi HaLowの長距離通信を使ったライブ配信映像と活用例
さて、実際にWi-Fi HaLowを使った活用例はどういったものがあるのでしょうか?
実際のライブ映像や活用例を見ていきましょう。
■実際のWi-Fi HaLow環境化でライブ配信されている映像
こちらは実際の私が現地にてWi-Fi HaLow環境化でライブ配信されていた映像を撮影したものになります。
Wi-Fi HaLowを活用して、左側が明るい環境化で屋外撮影、右側が暗い状態での屋内撮影
普段皆さんが見ている動画配信程の画質には及びませんが、何かを監視したりする分には申し分ない画質かと思います。
ただ、やはり車のナンバーを管理したり、人の顔をしっかりと認証したりといった用途には向きません。
■活用例1:Wi-Fi HaLowを活用した鳥獣害対策
〇目的
Wi-Fi HaLowとソリューションを効果的に組み合わせることで、増加している野生鳥獣による人や農作物への被害抑制を目指す。
〇実施事項
1,罠や防護柵等の獣害対策設備のカメラ画像による状態遠隔監視
2,害獣目撃情報の充実化による害獣動向把握
〇実証概要
農業分野においては、獣害防止策として罠や防護柵等の設備設置が行われているが、人員不足や高齢化が進み、獣害防止設備が管理不十分となり正常に機能せず、獣害被害が拡大するという課題が存在。また、害獣の動向が不明なため効果的な対策を検討することができない。Wi-Fi HaLowを活用し、遠隔で設備や注意したい箇所の状況を画像で確認するソリューションの導入による有効性の検証を実施。作業効率化や害獣の動向状況把握により、作業負荷軽減と獣害被害件数削減の実現を図る。
■活用例2:Wi-Fi HaLowを活用した建設現場でのモニタリング
〇目的
Wi-Fi HaLowを活用して、高層ビル建設時のタワークレーンによる作業を想定した、地上間との映像伝送性能を検証する。
〇実施事項
1,タワークレーンの距離 約400mを想定して地上でカメラ映像の伝送を実施
2,伝送時における映像の解像度、映像品質を確認するためモニタリングを実施
〇実証試験実施会社
エイチ・シー・ネットワークス株式会社
〇検証機器
株式会社フルノシステムズ「ACERA 330」
〇実証試験結果概要
ACERA 330によって今回の実証で370m以上の広範囲でカメラ映像が伝送されました。また、無線経路にトラックやフォークリフトなどの障壁がある場合でも、電波の回り込みによりカメラ映像が維持できることが今回の実証で確認されました。
出典元:エイチ・シー・ネットワークス実証事案より
■活用例3:Wi-Fi HaLowを活用した工場内のセンシング
〇目的
Wi-FiHaLowを活用して、中小企業における脱酸素経営に向けた「部品単位のCO2排出量の見える化」実装を検証する。
〇実施事項
1,既存設備にIoTセンサーを設置。Wi-FiHaLowを活用し、センサーデータを収集
2,収集データを活用して部品単位のCO2排出量を簡便に算出する
〇実証概要
大企業を中心に脱炭素経営が進むなか、中・小企業でも海外取引先から部品単位のCO2排出量/2050年カーボンニュートラル計画の提示を迫られており、対応できない場合は失注リスクがある。しかし、中・小企業はCO2排出量試算の計測機能やノウハウがなく、導入工事・コストは大きな負担である。本実証では、既存設備にIoTセンサを設置し、Wi-Fi HaLowを活用して取得データ・画像の収集を実施する。収集データを活用して部品単位のCO2排出量を簡便に算出するソリューションを策定する。また、エネルギー使用量と生産記録を分析し、各製造工程の効率化を検討する。実証を通し、県内中・小製造業の海外輸出機会の損失を防ぎ、受注増加の実現を図る。
■Wi-Fi HaLowをうまく活用するために
Wi-Fi HaLowは、長距離通信の可能性を広げ、障害物に強く、低消費電力な特性を備えています。
これにより、遠隔監視やセンシング、建設現場のモニタリングなど、さまざまな領域で革新的な活用が期待されます。
Wi-Fiビルドでも、実際にWi-FiHaLow対応機器メーカーさんと協力をして、導入前の電波調査やシュミレーションを行っています。
今回の実証事例からも、その有用性が証明され、Wi-Fi HaLowが企業や地域社会に与えるインパクトが明らかになりました。これからの時代において、Wi-Fi HaLowは新たな可能性を切り拓く鍵となることでしょう。
■Wi-Fi HaLowを活用しつつ、既存Wi-Fiも状況によって使い分けていくことが重要
さて、今回はWi-Fi HaLowを調査する目的で東京ビックサイトの展示会にお邪魔してきましたが、Wi-Fiはまだまだ奥が深く、そして止まらない進化を続けています。
Wi-Fi HaLowでは高画質の動画を転送するには向いてないということもあります。
そういったときはW56での通信やほかの周波数帯を利用することも考えなければなりません。何か一つにこだわらず、様々なWi-Fi技術を活用し、複合的にお客様のニーズに合わせたWi-Fi環境を構築することをWi-Fiビルドは目指しています。
■Wi-Fiビルド代表の千葉よりご挨拶
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